ロックフォードフォズゲート RFX-8140J
ロックフォードが全てのオーディオ回路を設計し、
米国カーエレクトロニクス企業の最大手である
デルコ社に生産を委託したオリジナル品で、
キチンとロックフォードサウンドが堪能できる
唯一のアンプレスCDヘッドユニットである。
その後、日本企業のOEM(納入先ブランド)製品で
バッファアンプを少々いじってパネルデザインを微妙に変更したモデル
(敢えて名前は言いませんが…)が登場しますが
サウンドはまさに別モノ!。発売当時はこの8140Jのみがアンプレスの
スペシャルモデルで現在の国産デッキでも考えられない、
出力電圧8.5Vと言う高出力プリアンプと17Vのバランス出力を装備。
アンプやスピーカーに比べ膨大な開発コストが必要なヘッドユニットを独自開発するという事は、
大量生産・販売を前提としなければならないこのエンスージャスト向けのメーカーにとって、
それこそ大変な英断ではある。デザインにおいてはアメリカブランドらしい質実剛健そのモノで、
車によっては全く車内のデザインに合わないものもあるけれど良いサウンドをと思えば、
そんな事は無視して使用を考えても良いのでは…。
スペック〜CD部・D/Aコンバーター:1Bit、周波数特性:20〜20.000Hz(±2dB)、
SN比:100dB以上、ダイナミックレンジ:100dB以上、共通部・プリ出力:2ch、
出力電圧:17V/50Ω(バランス),8.5V/50Ω(アンバランス)、電源電圧:DC14.4V、
発売時価格:¥169.000(税別)、*ステレオサウンド刊・オートサウンド参照。
今回の視聴は往年の銘機同士の対決と言っても過言ではないと思います。
アルパインJuba7909J対ロックフォードRFX-8140Jは、一度聴き比べをして見たかったとは思っていました。
高性能と低コストをうまく両立させ、MOS FETを採用しクラスを超えたハイパワーを実現する
ランザーの2chアンプでコストパフォーマンスモデルVibe240(発売時\53.000)と、
キャロリン・ホール・ヤング氏によるポップなカラーデザインをプリントし様々な性能変化を自動制御するAMU回路、
安定電源のPWM方式などの採用で優れた周波数特性を確保するプレシジョンパワーの4chアンプ、
Art404.2(発売時\118.000)をブリッジ接続の200w×2で使用する事に。
発売時は当方全く興味のわかないデッキではあったし、
ロックフォードと言うブランドもなかなか使う気がしなかったのも事実では御座いました。
(この発売時期、当方はMcintosh MX4000を使用していた)
はじめての視聴では7909Jとは全く違う世界感に度肝を抜かれた。
国産メーカーのCDデッキに多いと思える綺麗に聴かせようという意図は
あまり感じない事は元より、特に低音楽器の解像度、
レスポンスは7909Jよりも数段上のレベルを聴かせてくれる。
音の立ち上がり、立下りのスピード感は類を見ない!
高域・中域・低域と満遍ないサウンドを展開し一音一音がハッキリする。
キックドラム・スネアは厚みもあり爽快に鳴らしてくれ、
ベースラインのくっきりした所はまさに8140Jの新骨長。
これでD/Aコンバーターが1Bitとは恐れ入った。
クラッシック音楽、オーケストラは帯域のバランスも整い
鮮度の高い自然なサウンドが楽しむことが出来る。
S/N、音のスケール感は悪くはないが
個々の立体感は7909Jの方が一枚上手と言ったところではある。
とにかく双方共に下手なデッキにはない何かを秘めている事は言うまでもないが、
美しく音楽を奏でたいのであるのなら7909J、楽しく聞かせたいのなら8140Jと言ったところでしょうか?
多分、一般の日本人からすれば7909Jの方が好みと言う人が多いと思うが、
当方は何故か8140Jに魅力を感じてしまった。