ナカミチ MB-100
ナカミチMB-100は、1998年の1月に先行で発売されたインダッシュ
6連奏CDヘッドユニットMB-75をベースとし同年、秋にその上位モデルで
本格的なアンプレスCDチェンジャー・チューナーのヘッドユニットとして発売を開始。
1DINサイズという極少空間での6枚チャンジャーを成立させたバリアブルピッチ・ストッカー方式、
信号面に触れることなくディスクを運ぶダイレクトローディング方式等の技術が搭載されている。
D/Aコンバーター&プリアンプ部を分離し、1DINと言うスペースでの制限を取り払い、
パーツや回路設計の自由度を上げ高音質を追求している。
別体の付属ユニットはアルミケースでその内部には24Bitタイプ、
信号処理用アナログフィルターも3次元ベッセル型を採用する。
プリアンプ部は使用するアンプの負担を軽減し高S/Nを実現するため
4Vのハイボルテージ出力、車室内での定在派や共鳴を制御する
アコースティック・レスポンス・コンペンセイターも組み込まれており、
理想の音楽表現力を可能にしている。
スペック〜CD部・D/Aコンバーター:24Bit8倍オーバーサンプリング、
周波数特性:20〜20.000Hz(±1dB)、S/N比:90dB以上、ダイナミックレンジ:90dB以上、
高調波歪率:0.008%、総合・出力レベル:1/2/4V可変、
消費電流:1.5A、重量:約1.3kg(本体)、発売時価格:¥130.000(税別)、
*ナカミチカタログ参照。
当時、アルパインJuba7909JとナカミチMB-100は双方共に
ある場所で比較視聴した記憶があるが今回、
数十年ぶりに当方の環境で再現する事となりました。
MB-100はその後、1999年に発売を開始したCD-700シリーズに
通じるものがあるのか?楽しみです。
今回のアンプは音質に悪い影響を与えるフィルター類を持たない
シンプルで信頼性の高い設計回路を搭載し、
繊細で潤いのあるサウンドを実現するコンパクトで非常に人気の高い
2chパワーアンプ、ファスAP2.50i(発売時価格\77.000)と
エンブレムは付けてはいないがバーブラウン社製の高性能オペアンプや、
現在では入手困難とされたポリプロピンコンデンサーなどの貴重品を
フンダンに使い一台一台をADSTJの石田稔明氏が手塩にかけてチューニングを施した、
a/d/sのPQ40.2 ISHIDA Tuningモデル(発売時価格\280.000)を採用する事に致しました。
見た目、MB-75との違いはボディーカラーが高級な雰囲気を
醸し出すグレーの梨地仕上げになっている所。
MB-75&MB-100はナカミチの中では発売時、良く壊れたという初期クレーム
(ディスクが中で引っ掛かってしまう?)と言う事で知られた。
それはさておき、やはり以前視聴したCD-700同様サウンドクォリティーは非常に高い。
S/Nは7909Jよりも悪くない様に感じられ、キックドラムや
スネアのエネルギー感はかなり良好と思えた。サックスの密度、
ギターの緻密なニュアンスも割と正確に映写される。
しかし7909Jの立体感のあるのヴォーカル、生っぽさはまでは流石に再現しきれていない。
そして美しく伸びやかと言う事においては2〜3歩MB-100が劣ってしまうが、
音をハッキリ、クッキリ出したいと言う方にはかなりお勧めしても良いのではと思える。
シンバルの響き、クラッシック音楽のステージングの良さはこの価格帯ではOKと言った所ではある。
ピアノが硬く感じられたところもあるが力強さがあり共感の持てる所。
CD-700よりは若干ハイ上がりの様に思えたが違うアンプでの視聴ですし、
MB-100の方が好みと言う方もいると思うのでそこは何とも言えない所と思う。
このモデルもCD-700同様、独自の搬送方式でローディング時に
アームでディスクのエッジ部分のみを挟み込んで、クランパーにセットされ
再生位置まで移動されるためメカの音がうるさく、
もしも乱雑に扱われてきたモノでしたらそのアームが歪んでしまい修理不能
(メーカー部品欠品)になるので細心の注意を払って欲しい。
ナカミチはデリケートと言う事はオーナーなら分っている事と思うが…。