ナカミチ CD-700/CD-700 Millennium



ナカミチCD-700は1999年に発売開始され振動による外乱の影響を受けにくい無共振、
軽量のトラバースメカニズムとディスク面に有害な振動を伝えないというディスククランパーを搭載。
CD再生で実現しうる最高の音質を追求しつつ、豊かな機能性も備えたヒットモデル。
発売時はメーカーに予約注文し、当店ディスプレーでリファレンス機として大活躍してくれた。






デザイン的には好き嫌いがあるのも頷けますし発売時は同価格にDENON・DCT-A100や
サウンドモニターCDT-400Xが御座いまして今一、当方のお客様には選ばれなかった様に思いますが…。
でも私的には大好きなデッキです。18mm型の大型アナログボリューム、
アルミ無垢のツマミは使いやすくて重みがあり、いかにもオーディオと言った操作性も良かったです。
AUX機能はデジタル(75Ω同軸)とアナログ入力を装備、
外部DAC仕様が出来る様にデジタルアウトも使えるとは嬉しい限りでした。
2000年には更に音質に磨きをかけ信号処理でのデジタルインターフェイスを高速化するなど、
細部にわたり丹念にブラッシュアップした限定生産モデルのCD-700Millenniumが発売し、マニア心を擽ってくれた。




スペック〜CD部・D/Aコンバーター:24Bit8倍オーバーサンプリング、
周波数特性:20〜20.000Hz(±1dB)、S/N比:105dB以上、ダイナミックレンジ:100dB以上、
高調波歪率:0.003%、総合・出力レベル:5V、消費電流:2.5A、重量:約1.6kg(本体)、
発売時価格:¥170.000(税別・CD-700)、¥210.000(税別・CD-700Millennium)。




アルパインJuba7909Jも大切なコレクションでは御座いますが、
ナカミチCD-700もお気に入り。
未だかつて比較視聴をする機会はなかったのですが、
今回この懐古録の企画で双方共に依怙贔屓なしで純粋な気持ちで聴き比べて見ました。




ハイクォリティーサウンドの為に優れたパワー能力を発揮する
MOS FET採用のPWMレギュレーテッドタイプ・パワーサプライや、
セパレート二次電源を装備したオーディソンの2chアンプVR209(発売時\130.000)と
ノイズや振動の影響を断つヴァイブレーションアイソレーテッドシステム、
PWM方式オプトカップリングDC-DCコンバーターの大容量電源を搭載した
往年の銘機ナカミチ100pa(発売時\150.000)を視聴アンプに選択。




ナカミチの1DINタイプ(MB-100は別)のアンプレスCDプレイヤーは
91年に発売されたMobll Cd Tuner1から8年の歳月が経ち、
ようやく完成度の高いプレイヤーを世に送り出してくれた。
CD-700はとにかく音の鮮度が非常に高い。
キックドラム、スネアにおいてのスピードは、ジャズはアタック感が命と再認識させられる。
ピアノのタッチは多少硬質に思えるが余韻の透明度は美しく、ベースは重心が低く重い。
オーケストラの各楽器のニュアンスもかなり高いレベルで再現され、
トランペットのシャープで立ち上がり早さはトップクラス。
7909Jに比べ芯がしっかりとしており、ステージング感や奏者の立ち位置まで確実で
見事なまでに定位も安定される。女性ヴォーカルにおいては以前視聴した
DENON DCT-A1ほどアーティストの表情は生き生きとしない様に思うが、
カラーリングの全く違うヘッドユニットでは好き嫌いがハッキリする様には思う。
クラッシック音楽やアコースティックギター系ではナカミチの方が当方は好みではあったが、
人それぞれ。7909Jもかなり健闘はしていたが少々低域に物足りなさを感じてしまい、
低音のビートは明らかにCD-700に軍配が上がる。
中古品でのアドバイスとしては使っていくと液晶パネルの接着剤が滲んでくる事でこ汚くなってしまう。
更にCD-700の場合は独自の搬送方式でローディング時にアームで
ディスクのエッジ部分のみを挟み込んで、クランパーにセットされ
再生位置まで移動されるためメカの音がうるさく、もしも乱雑に扱われてきたモノでしたら
そのアームが歪んでしまい修理不能(メーカー部品欠品)になるので細心の注意を払って欲しい。
Eメカのエラー品は安くても手を出さない事!


戻る