マッキントッシュ MX406/MX406S



以前紹介したMX4000発売から2年後の1998年、要約一般ユーザーさんにも
少々無理をすれば購入出来るマッキントッシュのCDヘッドユニットが登場した。
MX406は実を言えばアメリカでは日本よりも以前から発売が行われていたそうでして
導入が遅れたポイントは、日本向けにリニューアルをしトーン回路や出力部の
バッファ用オペアンプにハイスルーレット、ローノイズなデバイスを使用し
米国モノとの大きな相違点を出したとか。
マッキントッシュと言ったらそのフェイスのデザイン、車載した時の存在感は憧れる方も多い。
更にこのMX406は同社の高級ホームオーディオ用CDプレイヤーの味付けを一番色濃く出したとされ、
まさにマニアの中では多くの方に愛用されたヒット商品になった。






その後、1999年にMX406Sへとマイナーチェンジが計られた。
これまでの重厚で濃いと言うイメージのホームオーディオ用マッキントッシュの
CDプレイヤーを髣髴させるサウンドとは少々異なり、若干スッキリとし
一般的にも聴き易くなったとされたが前モデルとのスペック等は一切変わらない。
変更点は回路面でD/Aコンバーターの電解コンデンサーを変更、アナログラインに
高音質タイプの抵抗を投入しRCA出力のケーブルも線径の太いものとなった。
目に付く所は本体の上部に塗装が施され、ブランドロゴが入る等と外観の見た目が実にお洒落。
しかし、サウンドにおいてはユニットの味付けの好みで選択される方が多いため、
MX406かMX406Sかを決めるのはユーザーさん次第でした。




スペック〜CD部・D/Aコンバーター:20bit 8fsオーバーサンプリング、
周波数特性:20Hz〜20.000Hz(±0.5dB)、S/N比:110dB(JEITA)、
定格ライン出力レベル:3V(CD再生時)、高調波歪率:0.005%(1kHz時)、
総合部・電源電圧:14.4V(10.8V〜15.6V)、消費電流:1.0A、
重量:1.8kg(本体)、0.5kg(DC/DCコンバーター)、発売時価格:¥158.000(税別)。




当方の勝手な都合で、一番マッキントッシュらしい
CDプレイヤーとされた前期モデルの方を使用する事に、
今回もアルパインJuba 7909Jが比較視聴機です。
発売時はMX406の方が¥8.000程高額でしたが、良い勝負が出来ると思います。




今回も前回同様、ディスクリートパワーアンプ回路の採用により少量のNFBで優れた安定性と
全帯域にわたる極めて低歪を得ていたa/d/sのPQ40.2 ISHIDA Tuningモデルと、
EEコアトランスや当時新開発のFET搭載でパワーを強化、ケンウッドアンプの頂点でありました
PSシリーズのKAC-PS500F(発売時価格¥80.000税別)を視聴用機に採用。
双方共に横幅400mmを超える超弩級アンプでした。




以前、視聴致しましたMX4000との違いは情報量が薄味でサウンド的にも
少々曖昧になってしまっていると言う事は否めない所ではあるが、
そこは発売時の金額面でもお解かりだと思います。
このユニットの特徴はまさにダークサウンド、重厚で奥深いというイメージ。
そのお陰で曲によっては全く嵌らないもモノもあるが、
そこはアンプやスピーカー等でカバーして頂きたい所。
ヴォーカルは若干、根暗になってしまう所もあるし高域の伸びが今一歩と思われ
アーティストの歌声が普通よりも太く、音像がマッシブになる傾向がある。
しかし、クラッシック音楽に到ってはこのMX406の本領が発揮。
厚みのあるスピードとスケール感が実に良い味を出してくる。
ジャズはエネルギーバランスも良好ではあるし、キックドラム等は力強く
ショットも勢いがあるがピアノの響きがくどく出る可能性がある。
楽器の分解能力はかなりの高さを見せるので、主にそう言った
ミュージックソースを視聴される方にはお勧め出来る。
ポップスやヴォーカル等は7909Jに軍配が上がるが、
高密度で厚みのあるMX406もキャラは違うが捨てがたい。
このモデルもMX4000同様、一般的なユニットに比べフェイスパネルが大きい為に、
国産車全般には加工しないと装着出来ない。
又、操作性は非常に優れたものではありますがスキップ機能
(選曲機能は勿論使えますが…)クラッシック音楽の様に何十分もある曲において、
途中から再生する事が(たとえば5分30秒あたりから聴きたいって事が)出来ず
最初から聴かなければいけないと言う厄介な所も御座います。



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