ケンウッド DT70
1995年、ケンウッドがデジタルオーディオの高音質を追求し、
CDソースユニットとして発売したアンプレスマルチコントロールCDヘッドユニットがこのDT70です。
現在ではコンディションのいい物がなかなか中古でも見なくなり、
発売時、一度ですが私自身も愛用していた事のあるケンウッドブランド最初で最後の?
プレイヤー(2007年期間限定発売されたK-TR10DはTRIOネーム)でした。
今見ても当時の派手派手ケンウッドからは想像の出来ないシックなデザインです。
この頃特融のボタン式の電子ボリュームが使い難かったですが、
別売りでステアリングリモコンなんかも発売していたし、慣れれば結構いけたのかも知れません。
今でも大切に使用している人が日本の何処かにいるんじゃないかなぁ
スペック〜CD部・D/Aコンバーター:1Bit8倍オーバーサンプリング、
周波数特性:5〜20.000Hz、S/N比:100dB、高調波歪率:0.005%、
共通部・電源:12V、重量:1.7kg(本体)、発売時価格:¥72.000(税別)
*交通タイムズ社 カーオーディオカタログ参照。
今回もリファレンス機はアルパインJuba7909J(発売時価格\150.000税別)です。
発売時\72.000のケンウッドDT70では少し可愛そうな気もしますが…。
DRX9255の視聴会でも使用した現在でも多くのオーディオフリーク達を虜にし、
発売時はAS誌でも大絶賛だった往年の銘機フォノンの4chモデル340cを継続して使う事に。
もう一台は此方も日本では一大ブームを巻き起こしたイタリアンブランド・オーディソン。
その2chモデルで有名だったVR-209を使用する事になりました。
どちらも発熱が半端ではないけれど、とてもいいアンプです。
今回も発売時の価格が2倍以上するアルパインJuba7909Jとの比較視聴となるため、
DT70では部が悪すぎるとだけ言っておきます。
荒さを探している様で悪いのだけれど、このユニットではお話にならない。
まずS/Nにおいてはあまりいいという感じを受けないし、
解像度も高くはない。ただし低域の押し出し感はある様に思い、
多分音を細かく緻密に出すのが嫌いなタイプなのであろう。
ヴォーカルは口が大きくなるものの、ボヤケた感じが耳に残りハッキリしない。
歌い手が口元でうたっている様に聴こえ抑揚がなく深みもブレス感すらもそれほど再現してくれない。
オーケストラ、クラッシック音楽においては平坦になり、ヴァイオリンやコントラバスの余韻も少ない。
本音を言えば素では聴けない感じがあるのも事実では御座いますが、
何も聴かずに本機だけで音楽を視聴すると何故か悪い感じがしないのが不思議である。
RCAケーブルやアンプ、スピーカー等をキチンと選択すればなかなか聴ける様になると思われますので、
購入されている方は相当の覚悟でチャレンジするとひょっとしたら途轍もなく
いいサウンドが体感出来るかも知れません。
しかし、改めてJuba7909Jの良さが再認識させられた視聴会でした。