クラリオン DRZ9255 SpecialEdition
私の記憶が正しければClarion(City Connection)から
ADDZESTにネームチェンジを行ったのが1988年。
話は違うけどPIONEER(Lonesom Car-boy)から
Carrozzeriaにネームチェンジをしたのがその2年前、
1986年だった様に思う?。
なんせ某量販店が「キョロキョロ♪オート○ックス〜キョロッキョロ〜♪♪」
って頻りにTVCMをやっていたバブル時代(覚えている人が何人いるのだろう?)。
それから18年間、93年にAZX-CD1をCDヘッドユニットとしAZX-DP1(デジタルユニット)、
AZX-DA1(D/Aコンバーター)と言うデジタル&
アコーステック・ピュアサウンドシステムADDZEST PROや
懐古録でも紹介しました96年にDRX9255や2000年HX-D1等、
心に残る銘機達を世に送り出してくれました。
そして2006年、完全に日立電気(昔はLo-Dその後
FORMULAなんて車内音響機器があったけど)
に統合されClarionネームが復活する。
しかし昔から携わってきた方なら覚えているとは思うが、
高音域の音を出す長いラッパで巻菅のモノ(クラリオンと呼ばれた)、
そのメーカーの名前の由来でもあるシンボルマークの
ラッパ(正露丸じゃないよ〜)のエンブレムが無くなってしまった。
これは個人的には許せない所ではあったが〜
懐古録なのに話が反れました。そして、アゼスト時代のトップモデル
DRZ9255もDRZ9255 SpecialEdisionとして新たに再始動する事となった。
機能もスペック上の数値も前モデルとは全く変わらないのだが、
各オーディオ回路に手を加えてヴァージョンアップを計っているらしい?。
見た目、ADDZESTからClarionのロゴに変わったり、
SpecialEdisionの文字がフェイスパネルに印刷されたり、
イルミネーションがホワイトからブルーになっただけでは決して無い。
ご存知な方も多いと思うがサウンドの味付け、
最新テクノロジーが至る所に取り入れられる様になる。
スペック〜CD部・D/Aコンバーター:バーブラウン社製
24Bit /192kHz 8倍オーバーサンプリング、
周波数特性:5〜20.000Hz(±1dB)、S/N比:112dB、
ダイナミックレンジ:100dB、高調波歪率:0.003%、
適合インピーダンス:10Ω以上、ラインアウトプット出力レベル:4V(CD1kHz)、
共通部・電源電圧:14.4V、消費電流:1.4A(CD再生時)、ヒューズ:5A、
重量:1.7kg(本体)DC/DCコンバーター(0.7kg)、発売時価格:¥125.000(税別)。
今回は視聴しに訪れた常連様方の意向で、
クラリオン最後のアンプレスCDヘッドユニットと言う事もあり、
前モデルのアゼストDRZ9255も比較視聴に特別参戦。
やっぱりアルパイン往年の銘機Juba7909Jもこの場には欠かせない存在です。
そして、高音質の1DINアンプレスCDプレイヤー最後の
(カロッツェリアDEH-P01の様なアンプが付属されるモノは別とし、
それ以降は各メーカーからも今現在の開発はされていない)
ヘッドユニットとなってしまったモデルですので、
いつもより真剣に長い時間を掛けて視聴を開始しました。
現在でも多くのマニアから愛され、マッキントッシュのアンプ
と言ったらグラスパネルとパワーメーターが大人のオーディオユーザー
のステータスとなった発売時限定生産200台?の100W×4chモデルMC431Mと、
アンプ部のファイナルデバイスにノンポーラMOS-FETを採用、110W×4chの高出力を実現し、
初段に真空管バッファを設けることでアナログチックな暖かみのある
サウンドに仕上がっているへリックスのハイブリットパワーアンプE400
(発売価格¥110.000税別)を視聴アンプに選択。双方共にブリッジ接続で行ってみました。
勿論、今回も音質を劣化させると言う事でダイレクトモードでの視聴です。
少々大袈裟かも知れませんが、まるでサウンドストリームの高級プリアンプ
&CDチェンジャーのSTP480+MB1000(発売時価格¥400.000税別)に近い?鳴り方で、
かなり上の帯域の方まで綺麗で瑞々しく、そしてしなやかに伸びてくれる。
それは多分、約100kHzの超高域まで再生出来る能力を持つ
SACDやブルーレイ等のホームオーディオ機器同様に、
2006年当時と言ったらカーオーディオ機器でも普及するだろうという事を前提とし、
設計したクラリオンの開発陣達が対応したのかと思われるのだが…?
(所詮、ホームオーディオユーザーに比べ車内音響の一般ユーザーのレベルでは無理な話でしたねぇ〜)。
中域は自然で質の高いサウンドが心地良いが、キックドラムやウッドベース等の
低域の量感は初代とは差程変わらず、やや軽く張りが無い様な印象を受ける。
クラッシック音楽やオーケストラはS/Nの高さもありホールの残響音も旨く再現されるが、
割とヴォリュームを上げて再生すると各楽器の分解能力に違和感があると言うか?
納得行かない所が出てくる(アッサリ、スッキリした印象を受ける)。
そのお陰か?アルパインJuba7909Jの方が良く感じてしまう所もある。
しかし女性ヴォーカルの表情や質感をきめ細かく、
そして艶やかに表現したいと言う方はまさにお勧め出来るとは思う。
しかしCDすら売れない不景気なご時世が訪れ、メーカー開発者曰く
「大元から、売れもしないだろう?ハイエンドカーオーディオにおいては、
全くその開発費用が出ない!」そうでして、現在ではコンスタンスに売れる
ナビデッキやパソコンでダウンロードしたUSBメモリー対応のモノに移行。
数年後は車内ではCDやいずれ家庭では一般的に見てもブルーレイに移行されるだろう
DVD等のソフトはおろか、高価なナビ自体もIpadやスマートフォンに
取って代わられる更なる氷河時代が来ると思われる。
ついには完成度の高かったDRZ9255 SpecialEditionまでもが
一部のマニアからは惜しまれながらも2008年には生産終了、
2009年にはカタログからも廃止されると言う短い生涯を閉じた。
しかし戦前の1940年白山無線からスタートをはじめ、
戦時中の1943年に瀧澤無線電気工業と合併(帝国電波に社名変更)。
戦後の1950年、国産初の自動車用ラジオを生産し今現在に到るまでの長い歴史のある名門クラリオン。
いつの日か、マニアを唸らせる程の歴史に名を残す、凄いヘッドユニットの発売を期待せずにはいられない。