アゼスト HX-D1
アゼストが大ヒットを飛ばしたDRX9255から4年の歳月が流れ、送り出してきたのが
HDCD(High Definition Compatible Digital)に対応したこのHX-D1でありました。
サインマグニチュード方式による24bit D/Aコンバーターを左右のチャンネルにそれぞれ搭載し
微小信号領域でもリアリティに優れ、高いS/Nと幅広いダイナミックレンジは
CDの持つ音楽性を表情豊かに再現したとされます。
デザイン的には前モデルのDRX9255と好みが分かれるとは思いますが…。
操作のフィーリングも良いアナログヴォリューム、
そのノブはローレット加工を施したアルミ切削で使い易い。
それとは別に機能的には13ピンを改造なんてしなくても外部入力(AUX)が使えたり、
音質劣化を防ぐと言う銅メッキシャーシを採用したり、
大容量の±15V DC/DCコンバーターで最大9Vのラインアウトや、
ALPINE Juba7909JやF#1Statsu CDA-7990Jにも採用していた
微細なスキャンノイズをキャンセルする事の出来るディスプレーオフ等々、
情報量も向上していたりとマニア心を擽る内容でした。
スペック〜CD部・D/Aコンバーター:24bitデュアル8倍オーバーサンプリング、
周波数特性:5Hz〜20kHz(±0.5dB)、S/N比:110dB、ダイナミックレンジ:100dB、
高調波歪率(1kHz):0.005%、ラインアウト出力レベル(CD1kHz):4V、
総合・電源電圧:DC14.4V、消費電流:本体1.1A、
質量:1.6kg(本体)、0.3kg(DC/DCコンバーター)、発売時価格:¥135.000(税別)。
今回もリファレンス機は平成2年から発売開始されました
アルパインが誇る往年の銘機Juba7909Jです。
発売時の金額的には¥15.000程HX-D1の方がお安いですが、
発売が平成12年からと10年の歳月が流れております。
テクノロジー的にも良い勝負が出来るかも知れません。
ソニーCDX-C9000でも視聴しましたODNR回路を踏襲し、
初期スルーレイトの大幅改善により音の立ち上がり、
音色やリズムの切れ味を実現するラックスマンの50W×2
モデルCM-2050(発売時価格¥158.000税別)と、
コストパフォーマンスに優れクロスオーバーやベースブースト機能も装備する
150W×2chのクラスを超えたハイパワーを実現した、
ランザーVibe240(発売時価格¥53.000税別)が今回の視聴アンプです。
以前視聴しましたDRX9255との違いは情報量の高さ、HDCDにも対応する本機は
そのクオリティーを引き出す為にそこそこ良いデバイスを装備している事と思う。
しかし、アンプとの愛称やスピーカーのチョイスを失敗するとドンシャリになる傾向が否めないかも知れない。
音の解像度、S/N等スペック上は問題無いように感じるし音質は決して悪くは無いが、
バランス的に低域が出しゃばる所がある。
躍動感と言うのとはちょっと違い、緩い感じがして張りは無いのだけれどスピード感は良好といったところ。
ヴォーカルは残念ながらJuba7909Jには及ばないが、深みのあるクラッシック音楽等はHX-D1も捨てがたい。
メタルやロック等を勢いに任せて、ガンガンに楽しんでも悪くはないとは思う。
ギターは図太くマッシブなノリの良さ、シンセサイザー楽器での粒立ちは鮮明なのでCDソースを選ぶところもある?。
正直言ってその後、登場するそんなに気難しく無いヘッドユニットDRZ9255の方が好みですね…。
HX-D1に使用するアンプは、大人のムード漂うオーディソンやマッキントッシュなんてお勧め(個人的意見)と思います。