■当店のコンセプト■
当方で製作致しました愛車のオーナー様は、「本当にいいお店とであえた…」や
「628とは末長く付き合える!」とお褒めの言葉を頂いております。
又、興味があって遊びに来店された割近くのお客様からは話が聞けて、
聴いて貰って本当によかったや面白く時間が過ごせた等、多くのコメントを頂きます。
そんな当方の車内音響に対する情熱や拘りのサウンド作り、
仕事内容をお客様のホンダ・エリシオンを製作、紹介をしながら解説していこうとこの
ページを公開致します(自作派さんも参考にして下さいませ)。
元々自作派さんでしたホンダ・エリシオンのオーナーの小川さん。
どうしてもいい音が出したくて当方へ仕事の依頼をする事になりました。
じっくりと愛情を込めて製作しますので完成を楽しみにして下さいね。
まずは電源から。エリシオンの様な最近の車の場合は、
バッテリー直では無くELDから電源を取らなければなりません。
ヒューズホルダーはオーディオテクニカのMIDIタイプのTFH-MIDI(¥3.000税別)を採用。
此方の場合、従来のAGUヒューズが最高80Aのところ125Aまでと多くのバリエーション
があるため使用する事が多くなってきました。
アルミ製のアングルはボディー色に合わせてホワイトに塗装してみました。
装着しました。後のメンテナンス性を考慮すれば、
この様に取り付けを行う事によりヒューズの交換も容易に行えます。
ヘッドユニット等の強化電源リレーは必須です。
今回の採用はジャンラインのJHR-4K(\4.900)で
BTA(+)×3、ACC×4、GND×3が行え、
車のハーネスから分配する事の無く、
設置した電子機器にクリーンで安定した電源が供給出来ます。
室内に電源を引き込みました。座席は3列共に全て外し、
掃除した後にパーツクリーナー等で油分や汚れをきちんと拭き取ります。
電源ケーブルは助手席側中心に30cm間隔でアルミテープで固定します。
この際左チャンネル用のスピーカーケーブルも一緒に這わせますが
電源ケーブルの間は20〜30cmは離してワイヤリングします。
因みにRCAケーブルと右チャンネル用のスピーカーケーブルは面倒臭いかも知れませんが
運転席側の座席を全て外してRCAは中央へスピーカーケーブルから同様に離して設置します。
後ろまでケーブル関係を這わし終えたらキチンと座席を戻します。
見ての通りケーブルが左チャンネルのスピーカーケーブル、電源及びアース類、RCAケーブル、
右チャンネルのスピーカーケーブルと離して別けているのが解ると思います。
時間は掛かりますが普通では当たり前の事です。
電源及びアースのケーブルは写真の通りモンスターケーブルの
4ゲージ(\1400/m)を使用。8ゲージもモンスター(\760/m)です。
スピーカーケーブルは高音質を狙うために、儲け度外視で大阪の逸品館さんから
AIRBOWのHCR/ACF/EVO/EZ(¥2.000/m)を発注致しました。
これはホームオーディオでも有名なAETの高級モデルと同じ100%純国産の6N銅
(バージンマテリアル)を採用し鏡面レベルにまで磨いております。
音質等、詳しい事は逸品館様のホームページを見て下さいませ。
RCAは当方のホームオーディオマニアの方々も使用して貰いエネルギー感と楽音の
明瞭度がいいと多くのお褒めの言葉を頂いている当店オリジナル品です。
この商品も純国産の6N銅を採用し情報量豊かなサウンドを体感させてくれます。
ピンはジャンラインの非磁性体で食い付きの良いとされているJHP-306G(\1.400/1組2個入り)を使用、
ハンダはKOサウンドラボのプラチナ・ゴールド・ニゲカスPG-1.2(\144.000/70m)を採用しております。
リモートケーブルは埼玉県川越市の同業者さんの、
音が良くなると言う噂?のオリジナル品だそうで単線4芯構造でした。
ケーブルを這わし終えたら写真5で紹介したリレーにヘッドユニットの電源とRCAを確実に配線、
ユニットを取りつけます。オーナーが以前使用していたアゼストDRZ9255(\125.000)から
今回は、当方のコレクションでありましたナカミチCD-700Millenniumへチェンジする事になりました。
9255もとても良いCDプレイヤーですが、視聴会の際にCD-700M(\210.000)
の方がオーナーの好みと言う事だそうです。
CD-700MのDC/DCコンバーターはヘッドユニット等用のキャパシター、
ARCオーディオのステッカーが貼ってありますが
実はジャンラインDCP-100F(\32.800)と共にグローブボックス奥、
助手席足下へ邪魔にならない様にインストール。
ヘッドユニットにタンク型の1ファラットを付けるとは、オーナーの拘りでしょうか?
因みに純正の音声もCD-700MのAUX機能を使って音声を出すために
オーディオテクニカの2chハイ/ローコンバーターAT-HLC220(\6.500)
を使用しリア出力の音声をRCAに変換している。
オーナーが某オークションで破格で購入したと言うケンウッドの
16cmコアキシャルスピーカーがBピラーに付いており、
此方でフロント出力された純正ナビの音声が聴けるようになっていた。
ドアの内張りはスピーカーケーブルをフロアーに這わすさいに外しておきましたが、
自作派だったオーナーのデッドニングが此方です。
当方が見直しました。内張りが付いてしまえば見えなくなるとは言え、
手を抜けば確実にサウンドに影響が出てくる場所ですのでキチンと作業を行います。
今回使用するスピーカーは、モレルのSupremo SW6(\220.000)と言う6インチの高級ユニットを選択、
元々の純正スピーカーよりも大きくなるため、少し穴を広げ背圧をキチンと抜く必要があります。
切り終えたらアルミテープで留めてあげます。
こうする事で切断面が錆び難くなり、その上強度も増します。
一般的によく使われているMDFボードは知っての通り加工はしやすいですが湿気に弱く、
又音質にもいかがなモノかと思いますので当たり前の事ですが当方は殆どバッフルには使用致しません。
今回の材料は高級米松合板を使用し、インナーバッフルを製作しました。
エリシオンの場合ドアスピーカーの取り付け面が平らではないため、
本当は音に影響があるかも知れませんがやむおう得ずパテで取り付け面をジャストフィットさせる事に致しました。
余分なパテを削り、音響用の薬品と防腐剤を散布してキチンとステンレス製のボルトで取り付けします。
ステンレスは錆びに強く又、磁石に付かないため当方では使用する事が多いです。
ステンレス製のボルトは普通にホームセンターに売ってます。
エリシオンのように下の方へスピーカーユニットが装着する場合のスラントは34度位がいい感じです。
勿論正確に調整しました。ある同業者にも言われましたがパテを使わずに良くスラント出来るなぁ〜
と感心していたけれど、背圧面は出来るだけパテを使いたくないと思う当方の拘りです。
音響用の薬品と防腐剤を散布して取り付けます。
見えないところですが拘りのインナーバッフルが完成しました。
続いてアウターバッフルを製作、パテを使用して形良くして行きます。
当たり前の事ですがスピーカー取り付け面はそのまま木材の使用です。
ご存じとは思いますがパテは乾燥して行くと痩せたり、空気の穴が開いたりして行きます。
時間は掛かりますが地道に盛っては削りを繰り返し納得行くまで格好良く仕上げて行きます
パテの乾燥を待つ間に内張りのデッド二ングをやっておきます。
内張りを戻して仮付けしてみました。勿論まだ完成していません。
左右均等に形を合わせて気に入らなければまたパテを盛っては削り形を整えて行きます。
オーナーの推薦でブラックレザーで仕上げ、ようやくモレルのSupremo SW6が付きました。
勿論スピーカーの取り付けビスは付属品を使用せずステンレス製です。
更にモレルのエンブレムプレートを付けてみました。
以前はカロッツェリアのトゥイーターTS-ST910(\45.000)をAピラーに設置しておりましたが、
キックにしたいとの事でパネルの製作を開始する事に。角度の調整を掛けながら製作して行きます。
バッフル同様パテを盛っては削りの作業です。
左右のキックの形は違うし、トゥイーターはデカイし四角いし少し苦労しました。
左右を見比べながら見た目も良く成形して行きます。
写真右のキックは音響用の薬品と防腐剤を散布しておりますが、左側はまだパテ盛りの最中です。
此方もブラックレザーに仕上げてみました。
後はトゥイーターを取り付けて元に戻すだけです。
キックの完成です。角度も出ていてなかなかいい感じ?になっているかな〜。
Aピラーはオーナーが某オークションで格安で落札したと言う、
ビートソニックから発売されているエリシオン用のトップパネルをそのまま採用。
オリジナルのボルトメーターが付いているところにカロッツェリアのTS-ST910がステーで付いておりました。
モレルのSupremo Piccolo(\85.000)はそのままこの位置で使用する事に。
一応フロントスピーカーまわりまで完成させましたが、
次はアンプボードの製作です。因みに車種によって様々では御座いますし、
使用するユニットも違うとは思いますのであまり参考にはならないかも知れません。
今回搭載するのは、ARCオーディオの2150 Signature Edutionを含む3台のパワーアンプを筆頭に
電源系強化には欠かせないアイテム、ブレイムスの大型レギュレーターHQS-200Aに
ブレイムスキャパシターHQR-12.6F及びスティンガーキャパシターを使う事になりました。
パッシブネットワークにナカミチのデバイス機器EC-302、モレルのウーファー等と、
あれやこれやと定価計算をすれば相当の金額になると思われる?
これだけの物量を採用する事に(凄い…)。
サードシートをMAXまで後ろに下げて段ボール紙で型を取ります。
エリシオンは車体の割にトランクが狭いのには驚かされました。
あれだけの物量がコンパクトに収まるのかが心配になってきます。
イメージを頭の中で描きながら板に型紙をトレースします。
一段では載せきれない事は充分承知しておりますので、
二段重ねにして見ようと思います。
ワイヤリングとかも大変になりそうな気もしますが、
出来る限りコンパクトに設計します(ハッキリ言って出たとこ勝負)。
一段目にはイートンの4chアンプでM’sTuneモデルのPA-1054と
2台のキャパシター、ヒューズブロック関係を装着する事に。
出来る限り薄くコンパクトにするためには個々のユニットの高さ、奥行き、幅を
きちんと計算しながらレイアウトと製作を行っていきます。
少しでも薄くするとは言え強度も考えなければ、車の中の過酷な環境の中では
ボードが歪んだり変形したりする可能性があります。
あちらこちらに骨組みを入れて剛性を高める事も必須です。
一段目のボードが組み上がり、ユニット関係を仮配置してみます。
二段目を上に乗せる際、干渉しない様になっているはずです。
此方はモレルのウーファーElate 9SWを搭載するためのリングチャンバーです。
杉合板材を何枚も切っては貼ってを繰り返し、丁度いい高さが出るまで重ねて行きます。
普通に箱で製作した方が予算も手間も掛からないのですが、
空間を出来るだけ潰させないために、この様な方法を取りました。
旋盤で削り出し一応は形になりました。普通のショップではこの様な事は考えないとは思います。
塩ビのパイプか何かで流用するとかだと思うのですが、やはり木でないと生理的に嫌ですねぇ〜。
二段目に取り掛かります。
キャパシター関係やイートンのアンプが終わったとは言え、まだまだ商品が御座います。
ネットワークやデバイス機器、ファスの2chアンプのAP2.50i は此方へレイアウトして見ます。
計算的にはどうにか入るはずです。
一番厚みのあるファスのアンプに合わせてキチンと収納出来るように高さを調整致します。
更に各ユニットを格好良く見せるために蓋を製作してみます。
取り付けるユニットを収納して見ます。格好良く見えるかな〜?少し不安では御座います。
左右のネットワーク、デバイス、アンプが収まりました。
一段目と二段目を仮組みして見ました。開閉出来る様に蝶つがいを使用しております。
開閉もスムーズに両サイドにアームも付けました。なかなか良くなりそうです。
この状態できちんとトランクに入るか?実車に搭載、使用するユニットも設置して見ました。
エリシオンの場合,グレードやオプションによって左側に100Vのコンセントが
設置されています。この車も設置されていたので2段目に逃がしを設けました。
トランクに収納できる事を確認しましたら再度外して一段目と二段目も分離、
防腐剤を散布してカーペット生地を貼って行きます。
だんだん完成が近付いて行きます。
見た目もなかなか良いし、デバイス機器の操作性も悪くないと思うのですが…。
とうとう本格的にワイヤリング開始です。丁寧にきちんと行っていきます。
電源部にはオーディオテクニカのケーブルエンドターミナルも使っております。
導体を傷めずにねじ止めが出来るのと同時に、伝送ロスも低減してくれるアイテムです。
モレルElate 9SWウーファー用リングチャンバーは
ミクロンウール等の吸音処理を施し装着致します。
地獄のようなワイヤリングもどうにか終わり、ブレイムス大型レギュレーターHQS-200Aと
ARCオーディオの2150 Signature Editionもバッチリ搭載してみました。
二段目を持ち上げるとこの様な感じになり、
あれだけあった物量が嘘の様にコンパクトに纏める事が出来ました。
デバイス機器や各部の調整を行い、ようやく音が出せます。
さ〜て、どんなグッドサウンドを奏でてくれるのかな?楽しみな瞬間です。
最高なサウンドに聴き入ってしまいましたが、まだ最後の蓋が完成していません。
これから製作に掛かろうと思います。
勿論まだ完成ではありません(続きはしばらくお待ちください)。
サウンドショップ628の作品でした。
エリシオンの小川さんの場合は当方が時間を掛けて、
私自身が納得行くまで情熱を込めて製作させて頂きました。
世に送り出すからには恥ずかしい仕事はしたくはありませんし、
折角だからいい音にしたいなぁ〜と空き時間を見つけては
秋葉原等で情報を集めたりしております。
自作派さん達に参考になればいいかなぁ〜と小川さんの協力で
「当店のコンセプト」を立ち上げましたが見て下さった方、
車内音響でのサウンド作りは本当に生きモノです。
時間が掛かるから、面倒臭いからと舐めて掛かり
手を抜きますと必ず悪い影響が出てしまい、
折角いい商材を使用しても本領を発揮してはくれません。
又、各ユニットとの相性もあるため自作派さんは色々と勉強、
研究を重ねて行く事をお勧め致します。